「世界初」乳がんの陽子線治療

はじめに

従来のX線治療では、乳房に隣接する(奥にある)肺や心臓への影響が大きいため、X線治療のみでの根治治療は不可能とされてきました。
一方、陽子線は、体内のがん病巣をピンポイントで狙うことができる特性を活かすことで、乳房の周辺にある肺や心臓などの重要な臓器への影響を抑え、乳房内のがんに狙いを絞って治療することができます。しかし、柔らかくさまざまな形に変化する乳房は、固定が大変難しい部位です。陽子線治療を行う場合には、毎回、全く同じ形に患部を固定する必要があるため、乳がん治療の最大の課題は患部の固定とされてきました。

当センターでは、開院以来「切らずに治す乳がん治療」の実現を目指し取り組みを続けてきましたが、4年以上の研究を経て乳房の固定法を開発しました。これによって、早期乳がんを陽子線で治療することが現実となったのです。

「世界初」早期乳がんの陽子線治療

早期乳がんに対する陽子線治療
2017年夏より第Ⅱ相試験(自由診療)として開始

ピンクリボン 肺や心臓といった乳房の奥にある重要な臓器を保護するために、仰向けとうつ伏せの体位を自在に反転できる装置を開発。
加えて、立体的で柔軟な乳房に陽子線を正確に当てるために、乳房を固定する装具の作製に3Dプリンターの技術を応用しました。
実に、4年間の研究開発期間を経て、2015年6月より臨床試験(第Ⅰ相試験)4例の治療を実施しました。2017年夏から臨床試験(第Ⅱ相試験)への参加を希望される方の受付を開始しました。
乳がんに対する陽子線単独治療の1例目
乳がんに対する陽子線単独治療の1例目
現在は臨床試験の段階ですが、これにより期待通りの成果が出れば、早期乳がん治療のオプションとして陽子線治療が加わることになります。

乳がん粒子線治療研究会について

乳がん陽子線治療についての臨床研究を深め、乳がん陽子線治療技術とその治療成績の向上ならびにその普及等に寄与することを目的として乳がん粒子線治療研究会を設立いたしました。
乳がん粒子線治療研究会メンバー