X線治療との違い

X線と違って陽子線は体の中を進んだ後、急激に高いエネルギーを与えそこで消滅するという性質を持っています。その性質を利用すると病巣周辺のみに高いダメージを与え、手前の通過箇所で被害を最小限に調整することができます。

X線治療の場合

  • 1895年レントゲン博士(独)がX線を発見し、その翌年にはがん治療への応用が試みられた。

  • X線は電磁波であり、奥に行くほど弱まりながら体を通り抜ける性質がある。

  • 体の奥深くにある腫瘍の場合は、様々な角度から照射する必要があり、低線量被ばくの領域が広範囲になってしまう。

  • 悪性黒色腫や肉腫などの感受性の低い細胞種には効果が得られにくい。

  • 装置がコンパクトで全国に普及している。

  • 基本的に健康保険が適用される。

粒子線治療の場合

  • 1954年にローレンス・バークレー研究所(米)が陽子線による臨床研究を開始。

  • 人工的に加速したミクロな粒子である粒子線は、止まる直前にエネルギーを一気に放出する(ブラッグピーク)。

  • ブラッグピークの止まる位置や幅は装置で正確に制御できる。

  • 病巣にダメージが集中するので、周囲の正常組織への悪影響を軽減できる。

  • X線感受性の低い細胞種に対しても、効果があることが分かってきた。

  • 日本国内の陽子線治療施設は10施設のみが稼働している(2015年現在)。

  • 陽子線治療は先進医療であり(※)、健康保険が適用されないので治療費用の大部分が自己負担となる。
    (※)2016年4月より、小児がんは保険適用