陽子線治療施設

医師
陽子線治療が医療として本格的に開始された1990年代、当センターに所属する医師も専門医としてその歩みをスタートしました。
粒子線治療専門病院の開設、さらに個々のがんに対する治療技術の確立を担い現在に至ります。
陽子線治療の歴史をともに歩んできた医師が、その豊富な経験に基づいてメディポリスの医療を牽引しています。

荻野 尚
- 1996年
- 国内初の医療専用の陽子線治療施設である国立 がんセンター東病院の設立に従事
- 1998年
- 同東病院にて陽子線治療開始
- 2002年
- 同東病院陽子線治療部長就任
- 2004年
- PTCOG(国際粒子線治療会議)を主催
- 2005年
- 同病院臨床開発センター粒子線医学開発部長就任
- 2011年
- メディポリス国際陽子線治療センター センター長代理
- 2017年3月
- センター長
がん治療施設
2011年1月の治療開始に向けて、メディポリス国際陽子線治療センターには陽子線治療装置が導入されました。
その後もよりよい治療を目指して、国内メーカーとともに装置・機器の研究・開発を続けています。

回転ガントリーと治療設備一式
最も軽い元素である水素から取り出された陽子は方向の制御が容易なため、全方向からの照射を可能とする回転ガントリーは“小回り”の利く陽子線でのみ実用化されています。
回転ガントリー
加速器室(シンクロトロン)動画で見る2,522方向の照射角度制御
がん治療の可能性をひらく取り組みと実績
メディポリス国際陽子線治療センターでは、陽子線治療のメリットを最大限に生かし、がん治療の次の一歩につながる研究・開発を続けています。
【乳がん治療(臨床試験/PhaseⅡ)の再開について】
乳がんの陽子線治療については、PhaseⅠ試験(4例実施)、PhaseⅡ試験では10例を実施いたしました。PhaseⅡ試験では、「10症例終了後に乳がん粒子線治療研究会にて報告ならびに審議し、この研究の整合性と妥当性について検証する」と定められており、当該研究会を2021年7月29日に実施いたしました。その結果、有効性と安全性について問題ないと判断されました。
今回、PhaseⅡ試験では、症例数20例以上を予定しておりますので、残りの10例以上の募集を再開いたします。陽子線治療費用は、メディポリス医学研究所が負担しますが、陽子線治療以外の検査や診察費用等は、自由診療として患者さんご自身のご負担となります。
【乳がんの乳房温存手術後の術後照射(自由診療)について】 乳がんの乳房温存手術に再発防止として放射線治療が行われますが、陽子線治療は肺や心臓に照射されないため、晩期の副作用が減少し、欧米では陽子線治療が多く用いられています。
日本では先進医療や保険診療として行えないため、自由診療となりますが、当センターでも該当する患者さんの治療を受け付けております。
今回、PhaseⅡ試験では、症例数20例以上を予定しておりますので、残りの10例以上の募集を再開いたします。陽子線治療費用は、メディポリス医学研究所が負担しますが、陽子線治療以外の検査や診察費用等は、自由診療として患者さんご自身のご負担となります。
【乳がんの乳房温存手術後の術後照射(自由診療)について】 乳がんの乳房温存手術に再発防止として放射線治療が行われますが、陽子線治療は肺や心臓に照射されないため、晩期の副作用が減少し、欧米では陽子線治療が多く用いられています。
日本では先進医療や保険診療として行えないため、自由診療となりますが、当センターでも該当する患者さんの治療を受け付けております。
肺や心臓といった乳房の奥にある重要な臓器を保護するために、仰向けとうつ伏せの体位を自在に反転できる装置を開発。加えて、立体的で柔軟な乳房に陽子線を正確に当てるために、乳房を固定する装具の作製に3Dプリンターの技術を応用しました。実に、4年間の研究開発期間を経て、2017年夏より第Ⅱ相試験へ移行しました。
→フジテレビ系列「みんなのニュース」で当センターの乳がん治療の取組みが紹介されました。

進行すい臓がん治療への取り組み
遠隔転移が無い、もしくは抗がん剤で遠隔転移が制御されている切除不能(手術不可)なすい臓がん、および手術拒否の患者さんを対象として、陽子線と抗がん剤を組み合わせた治療を行っています。通常のX線治療では副作用の観点から、50Gy程度の線量が限界ですが、当センターでは線量分布に強弱の工夫を付けることで、最大67.5GyEの陽子線をがん病巣に照射しています。
陽子線治療後は、かかりつけ医のもとで、抗がん剤の投与を続けていきます。
陽子線治療後は、かかりつけ医のもとで、抗がん剤の投与を続けていきます。
すい臓がんの実態
初期の段階では自覚症状が乏しく、見つかった時には既に進行していることが多い。手術ができるのは、患者全体の20%程度。また、すい臓の周りに存在する太い血管やリンパ節にがんが広がり、全身に転移しやすい。すい臓がん患者全体でみると、5年生存率は平均して約10%と極めて低い数値である。

QOL(生活の質)満足度の高い前立腺がん治療
近年、男性のがん罹患率2位に位置し、今後も増加傾向が指摘されている前立腺がん。しかし早期発見であれば、治癒が期待できる治療の選択肢が多いがんの一つと言えます。 日本において、これまで粒子線による前立腺がん治療実績はおよそ1万件。治療中、治療後のQOL(生活の質)を重視する患者さんの多くが、陽子線治療を選んでいます。

前立腺がん治療直後の患者さんは、どのような治療法であっても、少数の方に急性期の有害事象がみられます。急性期症状は、およそ1ヶ月程度で回復します。陽子線治療は、重篤な晩期症状がほとんど起こらないため、治療中〜治療期間〜治療後を通して、QOL(生活の質)を落とす心配がありません。






