お知らせ NEWS

乳がん治療(臨床試験 /PhaseⅡ)について

乳がん臨床研究

乳がん治療(臨床試験 /PhaseⅡ)についてご案内

「早期乳がんに対する陽子線治療による乳房部分照射の安全性と有用性についての研究」(試験ID: UMIN000017579)

【乳がん治療(臨床試験/PhaseⅡ)について】
乳がんの陽子線治療については、PhaseⅠ試験(4例実施)、PhaseⅡ試験では10例を実施いたしました。PhaseⅡ試験では、「10症例終了後に乳がん粒子線治療研究会にて報告ならびに審議し、この研究の整合性と妥当性について検証する」と定められており、当該研究会を2021年7月29日に実施いたしました。その結果、有効性と安全性について問題ないと判断されました。
今回、PhaseⅡ試験では、症例数20例以上を予定しておりますので、残りの10例以上の募集を再開いたします。陽子線治療費用は、メディポリス医学研究所が負担しますが、陽子線治療以外の検査や診察費用等は、自由診療として患者さんご自身のご負担となります。

【乳がんの乳房温存手術後の術後照射(自由診療)について】
乳がんの乳房温存手術に再発防止として放射線治療が行われますが、陽子線治療は肺や心臓に照射されないため、晩期の副作用が減少し、欧米では陽子線治療が多く用いられています。
日本では先進医療や保険診療として行えないため、自由診療となりますが、当センターでも該当する患者さんの治療を受け付けております。

臨床試験とは

病気の予防法、診断法、治療法の改善や患者さんの生活の質の向上などを目的として患者さんの協力を得て行われる研究です。
医学は、常に発展していますが、未だに診断法や治療法が確立されていない病気はたくさんあるのが現状です。また、治療法があったとしても、その効果に限界がある場合や、副作用が問題になる場合もあります。医療の発展のためには、患者さんのご理解とご協力をいただきながら、より良い医療を追究するために研究が必要になります。

乳がんに対する陽子線治療

陽子線は、体内のがん病巣をピンポイントで狙うことができ、周囲の正常組織への影響を抑えることが可能です。そのため乳房を切除することなく、陽子線治療のみで局所の腫瘍を制御(がん病巣が消失)することが可能であると考えています。
陽子線の特性を活かすことで、乳房の周辺にある肺や心臓などの重要臓器のダメージを減らしつつ、治療効果が期待できます。乳がんに対する陽子線治療の確立のために、安全で効果的な照射量を決定することを目的とした臨床試験を行います。

臨床試験への参加について

この臨床試験に参加するかどうかは、患者さんの 自由です。
参加することに同意した場合でも研究期間が終了するまでの間にいつでも撤回することができます。
臨床試験に参加しなかったり、途中で臨床試験へ の参加を取りやめた場合でも、患者さんが不利な対応を受けることは将来にわたってありません。臨床試験に代わるものとして、患者さんにとって最善と考えられる他の治療法が受けられるようにつとめます。

対象条件

  • 年齢が40~70歳
  • 妊娠中でないこと
  • 腫瘍径が2cm以下の単一腫瘍(超音波検査およびMRI画像診断による浸潤範囲を含む)
  • 病理組織診断で浸潤性乳管癌(通常型)と診断された原発性乳癌
  • CT・MRI・核医学検査(骨シンチ・PET)等で遠隔転移(脳・肺・肝・骨など)を認めない
  • 広範なリンパ管浸潤がない
  • 患側乳房への放射線治療を行ったことがない
  • マンモグラフィ上、石灰化が無いこと
  • エストロゲンレセプター(ER)陽性・HER2陰性

上記に該当する方を対象に、セカンドオピニオンを受けていただき、臨床試験に参加可能かどうかを診断させていただきます。

連絡先

臨床試験に関するお問い合わせは、下記からご連絡をお願いいたします。