よくある質問FAQ

がん治療について

頭頸部のがん(耳鼻科領域、口腔外科領域)は治療できますか?
頭頸部のがんとは顔面から首(鼻や口、のど、あご、耳など)にかけて生じたがんで、その多くが陽子線で治療可能です。手術を行う場合は顔の変形や眼球の摘出を伴うことあるので、顔にメスを入れたくない方には陽子線治療が有効です。一方、基本的に適応外とされるのは舌がん(固定が難しく、副作用も強い)や甲状腺がんが挙げられます。また、リンパ節転移がある場合は、陽子線治療の事前にリンパ節の摘出手術(廓清)の実施をお願いする事もあります。
頭蓋底のがん(脊索腫、軟骨肉腫)は治療できますか?
頭蓋底のがんとは脳を支えている骨に生じたがんです。当センターでは主に脊索腫や軟骨肉腫に対して陽子線治療が行われています。神経や血管に隣接する腫瘍を取り除くには高度な技術を要することから専門の外科医が極めて少ないのが現実です。手術後の残存病変に対して陽子線による追加治療を行うことも可能です。
肺がんは治療できますか?
扁平上皮がんや腺がんなどの“非”小細胞肺がんは遠隔転移や悪性胸水・心嚢水を伴わない場合、根治的治療として陽子線治療の適応となります。また、高度な間質性肺炎がある患者さんは不適応となることがあります。
肝臓がんは治療できますか?
腫瘍径や位置の条件が良くなく、RFA(ラジオ波熱凝固療法)が困難、手術不能および拒否例、TACE(肝動脈化学塞栓療法)による制御不良の場合に陽子線治療の適応となります。原則、単一の病巣を対象としますが、複数の病巣が一つの照射野に収まる場合や複数回に分けて治療を行うこと(治療費用は2倍、3倍となる)を容認される場合には適応となります。また、装置の最大照射野である15cm×15cmの範囲に入るのであれば、巨大な肝がんも他治療と比較して陽子線治療が適応と判断されることがあります。
前立腺がんは治療できますか?
ほとんどの場合、陽子線治療が可能です。ただし、全身に転移病巣が複数見られるステージにある方は局所の治療に対する意義が見いだせない無い限り、治療適応とはなりません。前立腺がんは日本国内で最も多く粒子線治療が行われている部位であり、尿失禁を起こすことなく、男性機能(勃起、射精機能)の温存が期待できる点が当センターで陽子線治療を行う最大の長所です。ホルモン療法の先行実施を必須とする施設もありますが、当センターではホルモン療法の事前および継続実施は紹介元の主治医にお任せする方針ですので、速やかに陽子線治療を開始することもできます。
骨軟部腫瘍(悪性)は治療できますか?
単発性で限局(リンパ節転移や遠隔転移が無い)しており、病理的に悪性と診断された骨軟部腫瘍は、陽子線治療の適応となります。腫瘍に重要臓器(特に小腸や大腸)が近接している場合は、投与線量を加減することがあります。大腿部などに生じた非常に大きな腫瘍である場合は、複数の照射野をつなぎ合わせて照射野を拡大するパッチ照射法が採用されるので、適応となる腫瘍径が15cm×15cmのサイズ以下に限定されることはありません。
直腸がん術後(骨盤内)局所再発がんは治療できますか?
直腸がんそのものは手術が第一選択となります。手術後の骨盤内の再発病巣は切除不能となることが多いのに対して、直腸がんはX線治療に対する感受性が低く、その他の消化管に囲まれていることが通常ですので、従来の放射線治療は十分な治療効果が得られていませんでした。一方で陽子線はブラッグピークと呼ばれる物理的性質のため、体の奥深くの病巣に対して集中的に線量を投与できるので、腫瘍の消失や疼痛緩和などの高い治療効果が期待できます。
膵臓がんは治療できますか?
その約80%が手術ができないほど進行した状態で見つかる膵臓がんは、切除可能例であっても、5年生存率が約10%程度のとても治り難いがんの一つです。当センターでは手術後の再発や切除不能な局所進行膵臓がん患者さんを対象として、陽子線と抗がん剤を組み合わせた治療を行っています。通常のX線治療では副作用の観点から、50Gy程度の処方が限界とされていますが、当センターでは線量分布に強弱を付ける工夫を行い、最大67.5GyEの高線量を腫瘍に投与しています。
腎臓がんは治療できますか?
手術が第一選択ではありますが、医学的な理由で切除が不能な場合は陽子線治療の適応となります。腎がんは放射線に対して抵抗性であると言われており、照射後はかなり長い年月を掛けて縮小する傾向があります。当センターでの症例数はまだまだ少ないのですが、ほとんどの患者さんは治療後、腫瘍サイズに変化がなく、活動が停止している状態(SD: Stable Disease)に至ったと判定しています。
乳がんは治療できますか?
基本的に乳がんの治療は手術が第一選択となりますが、従来の放射線治療とは異なり、陽子線は病変に集中して根治的な線量を照射することができるので、メスを一切入れずに乳がんを治療できる可能性があると考えています。臨床研究の段階にあり、2015年6月16日に最初の患者さんへ治療照射を行い、現在臨床試験(第Ⅱ相試験)への参加を希望される患者さんを受付けております。
食道がんは治療できますか?
臨床病期I-III期の原発性食道癌を対象として治療が行えます。
胃がんは治療できますか?
胃や小腸、大腸のような管状の消化管は位置の固定が難しく、照射により、穿孔(穴が開いてしまう)の恐れがありますので、陽子線治療は適応となりません。
膀胱がんは治療できますか?
陽子線治療が適応となる場合がありますが、当センターでは実績がありません。
精巣腫瘍は治療できますか?
陽子線治療が適応となる場合がありますが、当センターでは実績がありません。
皮膚がんは治療できますか?
陽子線治療は適応となりません。
脳腫瘍は治療できますか?
陽子線治療が適応となる場合があります。
白血病は治療できますか?
陽子線治療は適応となりません。陽子線治療は固形のがんに対して有効であり、全身を巡る血液のがんである白血病は対象になりません。
悪性リンパ腫は治療できますか?
小児に限り、陽子線治療が適応となる場合があります。