前立腺がんの治療について
前立腺がんについて詳しく動画でご説明いたします
前立腺がんとは、どのような病気?・どのように治療していくのか?・当センターでの治療実績など動画で詳しくご説明いたします。
【YouTube メディポリス国際陽子線治療センター公式チャンネル】
治療選択の心得
前立腺がんの根治治療は、手術、強度変調放射線、小線源、陽子線、重粒子線と多くの選択肢があります。医療になじみのない方は「私は医療の専門家ではないし、お医者さんに任せておけば一番良い治療法を考えてくれる」-そう考えるかもしれません。しかし、それぞれの治療には、それぞれのメリットデメリットがあり、患者さん自身が自分に合った治療法を選ぶ必要があります。ライフスタイルや価値観など何を重視したいのか自分の希望を伝えて納得できる治療を選ぶことが大切です。
陽子線治療の特徴
陽子線は強くあてる範囲や距離を調整することが可能です。そのため、前立腺と隣り合う直腸やぼうこうへの影響を最小限に治療をすることができます。そのため以下のような特徴があります
- (1) 治療時の苦痛がない
- (2) 副作用の心配が少ない
- (3) 再発が少ない
- (4) 治療は1日1回・10~15分
- (5) 入院の必要がない
- (6) スケジュール通りに治療が完了できる
- 高齢者や持病を持つ人にもやさしい
- 生活スタイルを変えずに続けられる
- 仕事と治療の両立が可能
- 治療終了後の社会復帰が容易
陽子線の治療方法
前立腺がんは、悪性度が一定でなく、活発なタイプとおとなしいタイプが前立腺全体に混在する性質があります。そのため陽子線を照射する範囲は前立腺全体となり、照射後は、がん細胞は死滅して、正常な細胞や周囲の組織には最小限の影響になる量と回数で治療を行います。
前立腺の大きさや、隣り合う直腸やぼうこうなどとの距離は、身長体重が違うように人それぞれ違います。そのため、陽子線をあてる時には、患者さん毎に範囲や深さを設定します。また、照射前にレントゲンで骨盤内を撮影し、前立腺の位置を1ミリ単位で調整し、正確な治療を行います。
治療の効果
前立腺がんは、グリソンスコア(生検)とPSAの数値により、病状リスクが5段階に分かれます。陽子線治療された方の5年成績(PSA非再発率)は、超低・低・中リスクの場合95%以上、高リスクの場合80%以上、超高リスクの場合70%以上の割合です。あくまでも指標であり、患者さんそれぞれの年齢や病気の経過にもよります。治療を決める前でも遠慮せずに医師の相談を受け、ご自身の治療効果を確認することをおすすめします。 主治医以外の意見を聞くセカンドオピニオンは、患者さんの権利です。
副作用
【治療中】ほぼ起こる症状:頻尿・排尿困難感生活に支障が出ることは稀ですが、飲み薬で改善し治療が終われば症状は自然に良くなります。
【治療後】起こるかもしれない症状:血便・血尿
・直腸出血/発生割合(治療を要する出血):2%程
発生時期:半年~2年後ごろ
・尿道出血/発生割合(治療を要する出血):2%程
発生時期:2~5年後ごろ
QOL(生活の質)
がんは治療できても、後遺症によって日常生活に支障をきたすようでは良い治療とは言えません。
当施設で治療を受けた患者さんのQOLアンケートでは、排尿・排便機能は治療5年後も治療前と変わらず、性機能は3年程の加齢低下相当という結果がでています。
治療の流れ
- (1) 初診もしくは希望によりセカンドオピニオン
- (2) 治療準備の検査(患者さんの病状に合わせた最適な治療計画を作成するため、3営業日 時間をいただきます)
- (3) 陽子線治療 平日毎日 約5週間
- (4) 経過観察 10年間 陽子線の効果は目に見えないので、紹介元の泌尿器科で定期的に検査を行い、PSA値を指標に治療効果を評価します。メディポリスには郵送報告を行い、専門医が確認の上、評価コメントをお手紙でお届けします。